C exercises(5) Address

ポインタの仕組み:アドレスとは

ポインタはC言語(および拡張言語)に特有の概念で、C言語を学び始めた初心者が必ずといっていいほどつまづく概念でもあります。ポインタがどうしても理解できないためにC言語に挫折してしまう方もいます。

p

アドレスの基本

コンピュータの記憶装置(メモリ)には、アドレスが付けられている。

shikumi

変数のアドレス

変数のアドレスを取得するには変数名の前にアンパサンド “&”をつけます。

int a = 123;

printf(“aのアドレス : %p\n”, &a);

配列のアドレス

配列の先頭をアドレスは、配列名だけで示します。要素のアドレスは&配列名[添字]で示します。

#include <stdio.h>

int main()
{
  char str[3] = "AB";

  printf("str[0]の要素のアドレス: %p\n", &str[0]);
  printf("strのアドレス: %p\n", str);

  getch();
  return 0;
}

 

 

二次元配列のアドレス

二次元配列の先頭アドレスは、配列名だけで示します。要素のアドレスは&配列名[行][列]で示します。

値とアドレスの表現

変数、1次元配列、2次元配列の整理

(要素)アドレス 先頭アドレス
変数 変数名 &変数名
1次元配列 配列名[添字] &配列名[添字] 配列名
2次元配列 配列名[行][列] &配列名[行][列] 配列名

 

printf と scanf の引数とアドレス

「値渡し」

int a = 10;
int str[] = "DEF";

printf("%d", a);  // 値渡し
printf("%s", str); // 参照渡し

 

「参照渡し」

int a;
int str[100];

scanf("%d", &a);
scanf("%s", str);

 

演習(P231)

一次元配列とそれぞれの要素のアドレスを表示するプログラムを作成

str[0]の要素の値        : 'A'
str[1]の要素の値        : 'B'
str[2]の要素の値        : 0x0 // 16進数で出力する
str[2]の要素の値        : ' '
str[0]の要素のアドレス  : 0019FF49
str[1]の要素のアドレス  : 0019FF4A
str[2]の要素のアドレス  : 0019FF4B
strの先頭要素のアドレス : 0019FF49

 

C exercises (4) math and utility

数学関数

数学的な計算が必要な場合に使用する命令セットです。引数と返りは全てdouble型になります。

主なもの:

  • sin(x):角度x(ラジアン)のsinの値を返す
  • cos(x):角度x(ラジアン)のcosの値を返す
  • tan(x):角度x(ラジアン)のtanの値を返す
  • pow(x,y):xのy乗の値を返す
  • exp(x):指数関数eのx乗の値を返す
  • log(x):xの自然対数の値を返す
  • log10(x):xの常用対数の値を返す
  • sqrt(x):xの平方根の値を返す
  • ceil(x):小数第一位を切り捨てした値を返す
  • floor(x):小数第一位を切り上げした値を返す
  • round(x):小数第一位を四捨五入した値を返す

サンプル:

#include <stdio.h>
#include <math.h>     //math.hのインクルードを忘れずに
 
int main(int argc, const char * argv[])
{
     
    // insert code here...
    double value = 0.5;
    printf("sin : %f\n", sin(value)); 
    printf("sqrt : %f\n", sqrt(value));
    printf("ceil : %d\n", (int)ceil(value));
    printf("floor : %d\n", (int)floor(value));
         
    return 0;
}

 文字列を数値型に変換する関数

文字列を数値型にするときに使われる関数がatoi関数(整数型に変換する場合)とatof関数(小数型に変換する場合)があります。

サンプル:

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>       //stdlib.hのインクルードを忘れずに
 
int main(int argc, const char * argv[])
{
     
    // insert code here...
    char a[] = "20";
    char b[] = "30";
     
    printf("(cast) a + b = %d\n", (int)a + (int)b);
    printf("(atoi) a + b = %d\n", atoi(a) + atoi(b));
     
    return 0;
}

 乱数を取得する関数

  • rand() 関数 :乱数を得る (0 .. RAND_MAX)
  • srand() 関数 : 乱数を生成するためのシードを設定する

サンプル:

サイコロの目1..6 をランダムに生成

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <time.h>     //time関数を使うので
 
int main(int argc, const char * argv[])
{
     
    // insert code here...
    int i;
    printf("///乱数の最大値 = %d///\n" , RAND_MAX);
 
    // 現在時刻を種に設定する
    srand((unsigned)time(NULL));
     
    for(i = 0; i < 5; i++) {
        // 乱数を取得する
        int randValue;
        double randValue1;
        randValue = rand();
        randValue1 = randValue / (double)(unsigned)(RAND_MAX + 1);
        printf("サイコロの目 : %d\n", (randValue % 6 + 1));
    }
     
    return 0;
}
練習問題:
========
0.0 .. 1.0 の数を6個ランダムに生成する

 

C exercises (3) string and ctype

標準ライブラリ関数 : 文字列操作関数

string.hのヘッダファイルをincludeする

主なもの:

strcpy(ss,st):文字列(文字型の配列)ssに文字列stをコピーする
strlen(st):文字列stの長さを求める
strcat(ss,st):文字列ssの後ろに文字列stを連結する
strncpy(ss,st,n):文字列ssに文字列stの先頭n文字をコピーする
strncat(ss,st,n)文字列ssの後ろに文字列stの先頭n文字を連結する

サンプル:

#include <stdio.h>
#include <string.h>       //string.hのインクルードを忘れずに
 
int main(int argc, const char * argv[])
{
     
    // insert code here...
    char str[40];
    char alpha1[] = "ABCDE";
    char alpha2[] = "VWXYZ";
    int length;
     
    printf("alpha1 : %s\n", alpha1);
    printf("alpha2 : %s\n", alpha2);
     
    strcpy(str, alpha1);
    strcat(str, alpha2);
    printf("str : %s\n", str);
     
    length = (int)strlen(str);
    printf("str's length : %d\n", length);
         
    return 0;
}

実行結果:

alpha1 : ABCDE
alpha2 : VWXYZ
str : ABCDEVWXYZ
str’s length : 10

練習問題:
========
(1)文字列に自分の名前を代入して表示してみよう。
(2)(1)で自分の名前の長さの文字列の長さを表示してみよう。
実行例:
自分の名前を半角英数字で入力してください
[Daiichi Koudai]
私の名前はDaiichi Koudaiです
文字数は14です

ヒント:

  1. printf
  2. gets, scanf

標準ライブラリ関数 : 文字操作関数

ctype.hのヘッダファイルをinclude

主なもの:

isalnum(c):文字cが英数字(A-Z, a-z, 0-9)なら真を返す
isalpha(c):文字cが英文字(A-Z, a-z)なら真を返す
isdigit(c):文字cが数字(0-9)なら真を返す
islower(c):文字cが小文字(a-z)なら真を返す
isupper(c):文字cが大文字(A-Z)なら真を返す
tolower(c):文字cが大文字だった場合に小文字に変換して返す
toupper(c):文字cが小文字だった場合に大文字に変換して返す

サンプル:

#include <stdio.h>
#include <ctype.h>        //ctype.hのインクルードを忘れずに
 
int main(int argc, const char * argv[])
{
     
    // insert code here...
    char lo = 'a';
    char up = 'A';
     
    if(islower(lo)) {
        printf("%c を大文字変換 -> %c\n", lo, toupper(lo));
    }
     
    if(isupper(up)) {
        printf("%c を小文字変換 -> %c\n", up, tolower(up));
    }
     
    return 0;
}

実行結果:

a を大文字変換 -> A
A を小文字変換 -> a

練習問題:
(3)(1)で自分の名前を大文字で表示してみよう。
実行例:
自分の名前を半角英数字で入力してください
Daiichi Koudai
私の名前はDAIICHI KOUDAIです
文字数は14です

ヒント:

  1. http://chenlab.net/2016/04/18/c-exercises-2-stdio/

回答:

#include <stdio.h>
#include <ctype.h>        //ctype.hのインクルードを忘れずに
#include <string.h>       //string.hのインクルードを忘れずに
 
int main(int argc, const char * argv[])
{
     
    // insert code here...

  char name[128];
  int i;
  
  printf("自分の名前を半角英数字で入力してください");
  gets(name);
  
    for (i = 0; name[i] != '\0'; i++) 
    {
        name[i] = toupper(name[i]); 
    }
  
    printf("私の名前は%sです\n", name);
    printf("文字数は%dです\n", (int)strlen(name));
    
  getch();
    return 0;
}

 

C exercises (2) stdio

標準ライブラリ関数 : 標準入出力関数

標準入出力関数には(C言語プログラミング)で説明した printf() や scanf() の他にも 下のように 1文字専用の入出力関数と 1行専用の入出力関数が用意されている。

標準入力から文字入力 getchar 関数
標準出力から文字出力 putchar 関数
標準入力から文字列入力 gets 関数
標準出力から文字列出力 puts 関数
標準入力から書式付き入力 scanf 関数
標準出力から書式付き出力 printf 関数

標準入力関数(参考)

getchar() int getchar(void); 標準入力(キーボード)からの入力値を「EOF」まで1文字づつ取得します。エラー時は「EOF」を返します。
gets() char *gets(char *str); 標準入力(キーボード)からの入力値を「EOF」※1まで1行づつ取得して、その文字列の先頭アドレスを引数のchar型ポインタ(*str)に渡すと共に戻り値としても返します。エラー時は「EOF」を返します。
但し現在では読み込む長さを指定できる「fgets()」の使用が推奨されています。
fgets() char *fgets(const char *str, int n, FILE *stream); 「*stream」で示されるストリーム※2から「n-1」文字を取得し「\0」を付加して、その文字列の先頭アドレスを引数のchar型ポインタ(*str)に渡すと共に戻り値としても返します。
scanf() int scanf(char *format,…) ; 標準入力(キーボード)からの入力値を書式指定した文字列として取得します。
第2引数以降は書式指定文字列※3の変換指定子の数だけ変数を指定します。
戻り値は成功時には入力データの数を返し、失敗時はEOFを返します。

標準出力関数(参考)

fputc() int fputc(int c, FILE *stream); キャラクタ(ASCIIコード)c をストリーム※2に出力します。
putc() int putc(int c, FILE *stream); 「fputc」と同機能のマクロです。
putchar() int putchar(int c); キャラクタ(ASCIIコード)c を標準出力(画面出力)します。
fputs() int fputs(const char *str, FILE *stream); 文字列 s をストリーム※1に出力します。
puts() int puts(const char *str); 文字列 s を標準出力(画面出力)します。
fprintf() int fprintf(FILE *stream, const char *format,…); 書式指定文字列※2をストリームに出力します。
第2引数以降は出力元となる変数を変換指定子の数だけ指定します。
printf() int printf(const char *format,…); 書式指定文字列を標準出力(画面出力)します。
第2引数以降は出力元となる変数を変換指定子の数だけ指定します。

例題1:

キーボードから「Ctrl+Z」を入力することによりループを終了させることができます。

入力した数値を加算、「Ctrl+Z」を入力すると、集計を出力

#include <stdio.h>

void main(void)
{
  int n;
  int sum = 0;
  
  printf("整数を入力して下さい\t");
  while (scanf("%d", &n) != EOF) {	// …「Ctrl+Z が入力されるまで」という意味
  
    sum = sum + n;
  }
  printf("sum = %d\n", sum);

  fflush(stdin); 
  getchar(); 
}

例題2:

「Ctrl+Z」を押されるまで、文字列を入力し、入力した文字列のスペースの箇所で、改行して表示する。

/* a6-1-3.c */
#include <stdio.h>

int main(void)
{
  char str[256];
  int i;
                    // 
  puts("文字列を入力してください。(終了条件:Ctrl+Z)");
  while (gets(str) != NULL) 
  //gets(str);
  {	puts("入力文字列をスペースで改行して表示します。");
    for (i = 0; str[i] != '\0'; i++) 
    {	/* スペースで改行 */
      if (str[i] == ' ') 
        putchar('\n');
      /* スペース以外はそのまま表示 */ 
      else {
        putchar(str[i]);
      }
    }
    putchar('\n');
  }

  return 0;
}

C exercises (1) guidance

C言語プログラミングⅡの試験解説

C言語検定試験について

試験名

C言語プログラミング能力認定試験
(C-Language Programming Skills Qualification Test)

試験目的

C言語を駆使して応用プログラム(言語処理系、ユーティリティなど)を作成する能力を認定します。

認定基準

一級 C言語を駆使し、応用プログラム(言語処理系、ユーティリティなど)が作成できる能力を有する。

また使用しているOSについて理解をしている。

二級 小規模のプログラム(500行程度)が適切に(理路整然、簡潔、正しく、速く)書ける。

また各種基本アルゴリズムを理解している。

三級 C言語の概念を理解し、簡単なプログラムが書ける。

 

付録

プログラミング関連の資格

  1. Oracle Certified Java Programmer
  2. C言語プログラミング能力認定試験
  3. Ruby技術者認定試験制度
  4. ORACLE MASTER Silver Oracle PL/SQL Developer
  5. IPA基本情報処理技術者試験
  6. IPA応用情報処理技術者試験
  7. マイクロソフト認定ソリューション デベロッパー (MCSD)
  8. CIW Web Development Professional Certification
  9. 情報検定(J検)
  10. JSTQBテスト技術者資格認定

参考サイト:

  • http://techacademy.jp/magazine/894

2015年の人気プログラム言語比較

言語の特徴を表にまとめてみました。

用途 学習難易度 年収 求人数 将来性
C 制御系、組込み系 ★★★★★ 普通 少ない
Java 汎用的だがWeb系
の開発が多い
★★★ 普通 多い ★★
PHP Web系 ★★ 普通 多い ★★
Ruby 汎用的だがWeb系
の開発が多い
★★★ 少ない ★★★
Python 汎用的 ★★★ 少ない ★★★★
Swift iPhoneアプリ ★★★★ 多い ★★★★★

参考サイト:

  • https://toiroha.jp/article/detail/32380
  • https://blog.codecamp.jp/programming_language_2015

WEBシステムの開発会社でもC言語が見直されている!?

OSやメモリを強く意識したC言語は高速、省資源。

ある程度の規模までのWEBシステムの場合は、
もちろんPHPやJavaといった言語が使用されますが、
大人数が同時に使用する、巨大なデータベースの場合、
核となる部分はC言語の方が適している場合もあるそうなのです。

なぜ、JavaではなくC言語なのでしょうか。

Javaの特徴でもあるガーベジコレクション(自動でメモリを開放してくれる機能)が原因で不具合が発生したことがあるそうです。

メモリを潤沢に使い、使用後も特に意識することを必要としないJavaという言語。
それに対してC言語は、メモリの管理は自分で行うことが前提の言語なのでメモリの取得と解放の手順は自分で記述しなければなりませんが、自分で記述した通りに動作させることができます。

参考サイト:

  • http://shinjuku.kenschool.tv/2013/03/15/web%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%81%AE%E9%96%8B%E7%99%BA%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%A7%E3%82%82c%E8%A8%80%E8%AA%9E%E3%81%8C%E8%A6%8B%E7%9B%B4%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B/

C programming exercises

【授業の概要】

コンピュータプログラム開発言語の中で広く利用されているC言語をCプログラミング開発環境ソフト:
CPad for Borland C++ Compilerを使った一人一台のPCを使い実習により学びます. 毎回問題に取り組み理解を深めます。復習問題としてプログラミング課題を出題する。

【授業要旨】

回数 題目 授業内容 学習課題 予習時間(分) 復習時間(分)
1 ガイダンス 学習目的 C言語プログラミングⅡの試験解説   C言語検定試験について 授業内容を復習する 60
2 標準ライブラリ関数1 標準入出力関数 テキスト(P186-193)を読む
授業内容を復習する
30 60
3 標準ライブラリ関数2,3 文字列操作関数  文字操作関数 テキスト(P194-208)を読む
授業内容を復習する
30 60
4 標準ライブラリ関数4,5 数学関数  一般ユーテリティ関数 atoi atof rand srand テキスト(P209-224)を読む
授業内容を復習する
30 60
5 ポインタの仕組み アドレスとは テキスト(P225-233)を読む
授業内容を復習する
30 60
6 ポインタの仕組み ポインタで変数を指す テキスト(P234-238)を読む
授業内容を復習する
30 60
7 ポインタの仕組み ポインタで配列を指す テキスト(P239-245)を読む
授業内容を復習する
30 60
8 ポインタの仕組み ポインタの配列 テキスト(P246-254)を読む
授業内容を復習する
30 60
9 ポインタのまとめ ポインタを使ったプログラムをグループで作成する 授業内容を復習する 30 60
10 関数の自作 関数の基本 Void type関数 関数へ値を渡す テキスト(P255-276)を読む
授業内容を復習する
30 60
11 関数の自作 関数に配列を渡す  再帰関数 テキスト(P277-288)を読む
授業内容を復習する
30 60
12 関数の自作 main関数への引数 適用範囲と記憶クラス テキスト(P288-302)を読む
授業内容を復習する
30 60
12 関数のまとめ 関数を使ったプログラムをグループで作成する 授業内容を復習する 30 60
14 ビットを意識する 整数型 浮動小数点型 テキスト(P304-314)を読む
授業内容を復習する
30 60
15 前期のまとめ まとめと総括。小テストの実施 授業内容を復習する 30 60

【テキスト】

速習C言語入門―脳に定着する新メソッドで必ず身につく [第2版]